今回は、Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ)の「Hurt(ハート)」の翻訳をしたいと思います。
「Hurt」は、ジョニー・キャッシュのアルバム「American IV: The Man Comes Around(2002)」収録されている曲で、2003年3月にシングルカットされました。原曲はNine Inch Nails(ナイン・インチ・ネイルズ)ですが、ジョニー・キャッシュがカバーしたことで原曲を超えたと評価されています。
原曲:ナイン・インチ・ネイルズのHurt:アルバム「The Downward Spiral(1994)」に収録
特にミュージックビデオの評価は極めて高く、年老いたジョニー・キャッシュが若かりし栄華と凋落を見つめていく内容になっています。2004年グラミー賞ミュージックビデオ部門、CMAレコード賞(カントリーミュージック協会)、2003年MTV撮影賞など数々の賞を受賞しました。
残念ながらジョニー・キャッシュは、その年2003年9月12日に妻ジューンを追うようにこの世を去り、「Hurt」は彼の生涯最後のヒット曲となりました。素晴らしいミュージックビデオと歌詞がとても印象的な曲です。
それでは、まずは聞いてみてください。
Hurtの基本情報
曲名:Hurt(ハート)
アーティスト名:Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ)
発売日:2003年03月
収録アルバム:American IV: The Man Comes Around(2002)
ここから「Hurt:Johnny Cash」の翻訳開始!
↓↓↓↓↓ ここから歌詞の翻訳です ↓↓↓↓↓
I hurt myself today
(今日、俺は自分を傷つける)
To see if I still feel
(まだ感覚が残ってるかどうか確かめるために)
I focus on the pain
(俺は痛みに集中する)
The only thing that’s real
(この痛みだけが唯一の真実であるのだ)
The needle tears a hole
(針で傷口をえぐる)
The old familiar sting ※01
(古傷の上を何度も突き刺し)
Try to kill it all away
(すべてなかったことにしようとしたとしても)
But I remember everything
(すぐに記憶は蘇ってくる)
What have I become, my sweetest friend
(俺は何者になったのだろうか、友よ)
Everyone I know goes away in the end
(皆、俺の知ってる奴らは最後には去っていった)
You could have it all
(おまえはきっとすべてを手に入れられる)
My empire of dirt ※02
(塵で塗り固められた王国で)
I will let you down
(俺はおまえを失望させるだろう)
I will make you hurt
(そして、きっとおまえを傷つける)
I wear this crown of thorns ※03
(棘の冠を頭に載せ)
Upon my liar’s chair
(偽りの玉座に座る)
Full of broken thoughts
(狂った考えで頭の中は支配され)
I cannot repair
(もはや取り除くことはできない)
Beneath the stains of time ※04
(過去の栄光にも値はせず)
The feelings disappear
(その感覚は消え去ってしまった)
You are someone else
(おまえは他の誰かであって)
I am still right here
(俺はまだここに佇んでいる)
What have I become, my sweetest friend
(俺は何者になったのだろうか、友よ)
Everyone I know goes away in the end
(皆、俺の知ってる奴らは最後には去っていった)
You could have it all
(おまえはきっとすべてを手に入れられる)
My empire of dirt
(塵で塗り固められた王国で)
I will let you down
(俺はおまえを失望させるだろう)
I will make you hurt
(そして、きっとおまえを傷つける)
If I could start again
(もし、もう一度やり直せるなら)
A million miles away
(100万マイル離れた場所から)
I would keep myself
(俺は自分自身であり続けるだろう)
I would find a way
(きっとそういう道を見つけられると思うんだ)
曲の感想とまとめ
いかがでしたでしょうか?ジョニー・キャッシュの人生をまるで写しているかのような詩、そしてそれを表現しきった映像、何とも悲しきとても味わいある曲だったのではないでしょうか。
実は原曲のテーマは「ドラッグ中毒」なんです。なので、ヘロイン中毒者の幻覚症状などの意味合いが含まれています。ジョニー・キャッシュも若い頃にドラッグを服用していたと告白しており、その辺りもリンクしているのかもしれません。
その素晴らしき内容故に原曲を超えてしまった…
ナイン・インチ・ネイルズのボーカル、トレント・レズナーは、ジョニー・キャッシュの「Hurt」を聞いて、「もはや、この曲は私のものではなくなった」と評価しています。ジョニー・キャッシュという大御所の人生とこの曲の歌詞がリンクしすぎてしまったせいかもしれませんね。
最後に文法・歌詞の説明
それでは最後に文法、歌詞の部分で説明が必要かなと思う部分を少し追記して終わりたいと思います。
01. The old familiar sting
「sting」で、「針、刺し傷、苦痛」という意味。「old familiar」で「古くから慣れ親しんだ」という意味なので、両方を繋げると「古傷」という意味になります。
02. My empire of dirt
「empire」は、「王国」という意味、「dirt」は、「砂、塵、汚物」という意味。ここでは「俺の汚物の王国」が一番合っている気がしますが、表現が汚かったので「塵で塗り固められた王国」としています。
03. I wear this crown of thorns
「crown of thorns」で、「棘の冠」という意味になります。ここの箇所は原曲から変更している歌詞で、元々は「this crown of shit(クソの冠)」でした。よりイエス・キリストとジョニー・キャッシュを結び合わせるために変更したとのことです。
04. Beneath the stains of time
「Beneath」で、「ふさわしくない、価値がない」という意味になります。また、「stains of time」の「stain」とは「染み、汚れ、汚点」という意味になり、「過去の栄光にふさわしくない」という意訳にしました。ドラッグ・アルコール依存症で離婚するなどを指していると推測できます。
さて、今回は以上になります。
今後何十年も語り継がれるであろう名曲です。この機会にジョニー・キャッシュをチェックしてみてはいかがでしょうか。最後まで見て頂きましてありがとうございました。
それでは、良い一日を!
※何か間違っている箇所、不明な点があればコメント、またはお問い合わせください。
出来るだけ、正確に翻訳をしたいと思っております。